誰ともうまくやれないと思ってた

 

 

人と話したあとは、いつも疲れてた。

別に嫌なことばっかりだったわけじゃない。

楽しく話せた日もある。

それなのに、家に帰るときまってぐったりしてた。

ゆっくりしたいのに…

頭の中で、さっきの会話がもう一回始まる。

「あんなこと言って大丈夫だったかな。」

「あの返事、変だったかも。」

「あの人、ちょっと困ってた?」

一人なのに、ずっと会話が終わらない。

当時の私は、

このループが起きるのは

「人付き合いが苦手だからだ。」

と思ってた。

だから、

もっと話せるようになろう。

もっと自信をつけよう。

もっとコミュニケーションを勉強しよう。

そう考えた。

本も読んだし、

講座にも通った。

いろいろ試した。

でも…

何も変わらなかった。

何度も何度も、手札を切った。

そして、

気づいたときには、手札がなくなってた。

「もう、何をしたらいいかわからない。」

そんな状態になってしまった。

そのときはじめて、立ち止まった。

というより、

立ち止まらざるを得なくなった。

ここで、

ずっと『どうしたら変われるか』

ばかり考えていたことに気がついた。

”今”をすっ飛ばしたいあまりに、

理想の未来に行く方法ばかりを探していたことに。

それを一旦休んでみることにした。

今、何が起きてるんだろう。

そう思って、自分を見てみることにした。

そしたら、

今まで見えなかったものが見えてきた。

人と話している間、

私は相手の話を聞いていると思ってた。

でも違った。

相手の表情を見てる。

声のトーンを聞いてる。

話す速さを感じてる。

空気を読んでる。

同時に、

絶えず

「変に思われてないかな。」

「嫌われてないかな。」

「今の言い方、大丈夫かな。」

と考えていたことに気がついた。 

あれ?

私…

会話してるようで、

ずっと安全確認してる。

その瞬間、全部がつながった。

本当は、

もっと相手のことを知りたかった。

自分のことも話したかった。

でも、それどころじゃなかった。 

だって…

「ここは安全か?」

を確かめなきゃいけなかったから。

だから、

いつも人と話したあとはぐったりしてたのか。

 

だから言いたいことが出てこなかったんだ。

 

だから距離が縮まらなかったんだ。

私は自分のことを

『人付き合いが苦手な人』

と思ってた。

でも今は少し違う見え方をしてる。

苦しかったのは、

人間関係そのもののせいじゃなかった。

人と関わるたびに、

私の中で”安全確認”がはじまってたから。

「そりゃ、疲れるはずだわ」

「そりゃ、言いたいこと言えないのもわけないよね」

そう思ったら、

なんだか少しだけ力が抜けた。

それ以来、

今起きていることだけじゃなくて、

『そのとき自分の中で起きていること』

そっちも見るようになった。

そうしたら、

今まで見えていなかったものが、

少しずつ見え始めた。

心や気持ちは、無理に変えようとしなくても、その背景を深く理解することで自然にほどけていきます。

ここで触れているテーマを、一緒に静かに見つめ直したいと感じた方へ。