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”怒る人”

怒る人、っていますよね。
いつも怒っている人もいれば、急に怒り出す人、滅多に怒らないけど怒ると誰より怖い人もいる。
怒りの表現の仕方も人によって違いますね。
爆発させる、静かに怒りの炎を燃やす、物に当たる…いろいろなタイプがありますよね。
今回は【怒り】について書いていきたいと思います。
以前、私はコールセンターに勤めていたことがあります。
そこで毎日お客様と対応する中で、激おこからプチおこまでレベルはさまざまでしたが、恐らく最低1日1人は”怒る人”と関わっていたと思います。
とはいえ、別にカウントしてたわけではありません笑
もしかしたらそういう人に出会わない日もあったかもしれないですが、あの頃は怒りの影響をダイレクトに受けてしまっていたので、”怒る人”に遭遇するのがイヤでイヤでたまりませんでした。
怒る人に遭遇するたびにこう思ってました。
「人に怒りをぶつける、って人としてどうなの?!」
要望や、希望を伝えられて、それに応えられないことを伝えると激高する人がいたり、契約の確認を取るために名前や住所を聞いたら怒り出したり、おまけに電波が悪くて聞こえなくて聞き返したら怒り出したり…
怒りの着火点は人によって全然違って、どこで火が付くかわからない…
着火するのを怖れていつも不安を抱えながら対応していました。
注意して対応しても着火してしまい、ドカーンと怒りを放たれてしまったら、私にできることは謝罪しかありません。
ところが、謝罪をしても「お前そんなこと思ってないんだろ!」
「謝って済むと思ってんのか?」
なにを言っても怒りが収まらないので少し静かにしていると「お前聞いてんのか?」
…ということで、怒りが収まるまで話を聴くのが一番という結論に到達…
(こうやって書いていくと…なんか笑えてくる笑)
やっとのことで怒りの主が電話を切ったあとは、決まって私の頭の中でこんな思考が渦巻いていました。
「なんだったんだ一体…」

「自分で自分の感情を抑えられない人なの?」
「この人、いつもこうやって怒るのかな?」
「妻がいるって言ってたけど、あんな人にも家族がいるんだ…信じられない…」
「この人に友達はいるんだろうか?」
と、怒りの主に対する思考がぐるぐるぐるぐる止まらなくなって、イライラ、もやもやしていました。
もどかしさややるせなさを感じつづけていました。
そして、ぐるぐる思考を続けた結果、思考が行きつく先はいつも決まっていました。
「こんなことくらいでイライラするなんて!私って、ダメだな…」
「なんで怒る人を怖いって思っちゃうんだろう?なんて自分は弱いんだ…これじゃ子供みたい…」
「こうやって怒れる人の方が得してるんじゃない?私みたいな人が損してない?」
それから、
「私の対応が悪いから、こうなっちゃうのかな…」
誰かの怒りを受けた結果、自分を否定する方向に思考が走ってしまってました。
当時はこれが当たり前だったので、この自動的な思考の流れが起きていることに気づくことはありませんでした。
怒りに巻き込まれてしまったら…

どうでしょう?
あなたにも思い当たることはありませんか?
もちろん、過去の私の状況とまったく同じではなかったとしても、誰かの怒りを目の当たりにして、巻き込まれてしまったという経験がある方もいると思います。
相手はお客さんかもしれないし、家族、友人、職場の上司や同僚かもしれません。
はたまた、道を歩いている時や、車の運転している時に全くの見ず知らずの人からの怒りを受けたことがある方もいるかもしれません。
どこかで、誰かの怒りを受けたとき、どう反応するか?は人それぞれ。
私の場合、ぐるぐる思考をして、最終的に自己否定する方に思考が向かうという反応が起こっていましたが、反応の仕方は人によって全然違いますね。
職場には誰かの怒りを受けて、その怒りに巻き込まれて怒りがこみ上げてついうっかり応戦する言葉を放ってしまい、事実上クビになってしまった人もいました。
仕事を始めて間もない社員の女性が怒りのシャワーに耐え切れず泣いてしまってその後話せなくなってしまったり、怒りを受けたときの怖れが消えず仕事に来られなくなってしまった人もいました。
こうした状況を目にしたり、話を聴くたびに、
「悔しい…」
「なんで怒りをぶつけてくる人に負けなきゃいけないの?」
「人に怒りをぶつけるような人をいつかぎゃふんと言わせたい…」
と心の中で思っていました。
そして、同時に私の中の
「なんでこんなにイヤな人ばっかりいるんだろう…」
という想いが膨らんでいきました。
誰かの怒りに巻きこまれないためには

ところが!!!
実は私のような状態になっていくことこそが<悔しい>状況です。
だって、これじゃあ誰かの怒りに完全に巻き込まれてしまってますよね。
あなたには誰かの怒りに巻き込まれてほしくありません!
誰かの怒りを受けて、こちら側がネガティブな気持ちになるなんて、もったいないの極みだからです。
だから
<怒る人が改心するべき!>
と言いたいところですが、私たちに他人を変えることはできません。
怒る人は怒る人、なんですよね。
じゃあ、なにができるのか?というと<こちらが変わること>です!
怒る人の影響を受けないように、私たちが変わってしまえばいいのです。
そこで、ここから先は<怒る人の影響を受けない自分>に変わるために覚えておきたいこと、そして考え方をお伝えしていきますね。
怒りの陰には『なにか』が隠れてる?!
まず”怒り”という感情についてみていくことにしましょう。
怒りは『二次感情』と呼ばれる感情です。
感情には一次感情と二次感情があると言われています。

こんな感じで二層になっているイメージで、怒りはそのうちの二層のうちの上、『二次感情』に当たります。
つまり、外側に現れているのは怒り、だけどその奥に実は別の感情が隠れている、ということなんです。
例えば、
「サービスがなってない!なんて会社だ!」と怒っている人は…
外側に出している感情は怒りの感情ですが、その奥にある一次感情では実は「見下されている」と感じていたりします。
(「お前は俺を馬鹿にしてるのか!」と言ってくれるとわかりやすいですね…)
「あの人全然わかってくれないんですよ!あり得ない!!」と怒っている人は…
怒りの感情を出しているけど、その奥に隠れている一次感情は強い「悲しみ」だったりします。
いずれの場合でも、外に現れている怒りの奥に真の感情が隠れていて、それを表現できないので代わりに怒りとして表現されてしまうことになります。
どうでしょうか…
このことを知っておくだけでも、少し怒る人に対する見方が変わるかもしれません。
「あ、もしかしてこの人…」
って感じられて、受ける影響が減ったらしめたもの!です。
”怒る人”に出会ったときの対処法

怒りの感情について知ったうえで、具体的にできる対策をひとつ紹介します。
<怒る人と自分の間に境界線を引く>という方法です。
怒る人が現れたときに、相手と自分の間に境界線を引くイメージをするのです。
心理的に相手と距離を話すため、相手との間にシールドを張るためです。
そして、
相手は怒っている。
でも、相手は相手。私は私。
だから、私は相手の怒りの影響を受けません。
誰かの怒りの影響を受けないことを自分で決める、その決意を新たにするための儀式を行うイメージです。
<境界線を引く>
その具体的なやり方としては、私の場合は怒っている相手との間に実際に線があるのをイメージする、という方法を取っていました。
実際に目の前にいる怒っている人物との間、または電話の向こうの相手との間にもスーーーッと線を引くイメージを繰り返しました。
黒くて、太くて、消せない、特注の油性マッキーで書いた線をイメージする感じで…
※実際に身体、腕を動かしてやってもいいのですが、出来ない場合がほとんどだと思うので笑、指だけ動かしてみるのも有効です。
こうじゃなきゃダメ!と言う決まりはないので、試してみる時は自分にやりやすい方法でやってみてください。
最初はやってみても「??」と感じるかもしれないですが、そこで諦めずに続けてみてください。
怒り以外の感情でも、誰かに対して「ん~~~」っとネガティブな気持ちになった自分に気づいた時に、その相手との間に線を引く練習をしてみるのもおすすめです。
その練習をしておくことで、次にいつかどこかで怒る人に出会ったときに、相手との間に線を引くイメージをしやすくなります。
この境界線を引く目的は、相手を拒絶するためではなく、相手に対抗するためでもありません。
怒る人を許しましょうということではないし、怒る人がいても我慢しましょうということでもありません。
お互いのためになるから境界線を引くんです。
さっきも言った通り、
相手は相手。自分は自分。
この言葉に則って、怒る人は怒る人。そして、私は私。
だから、私は相手の影響は受けないですよ、と認識するために境界線を引くのです。
あなたが境界線を引いて相手と適切な距離感を保つことで、相手に巻き込まれたり、相手をコントロールすることにエネルギーを消費するのを防げます。
さらに、怒りに巻き込まれずに冷静でいられます。
すると、あなたが相手に対してどのように対応するか、対策を考える余裕を持つことができます。
あなたが相手との境界線を引いて、相手が怒ることを許したとき、あなたはもう相手の怒りに巻き込まれません。
その状態では、自分でどうするかを決められます。
あなたが主導権を握ることになるのです。
繰り返し境界線を引くイメージをする練習をして、誰かの感情に巻き込まれない自分に気づく回数を増やしていきましょう。その体感を強めていきましょう。
やがて、相手は相手。自分は自分。
この言葉を身体で理解できるようになるはずです。
幸せになるために境界線を引く

怒りに巻き込まれないための対処法、いかがでしたか?
ちなみに…
こうして怒りについて知って考え方を変えたり、怒る人の見方を変えるワケは、怒る人をバカにしたり、憐れむことが目的なのではありません。
「怒るのはよくないからやめよう!」と言いたいわけでもありません。
すべては
しあわせになるため
です。
怒りついて知らずに、誰かの怒りに巻き込まれてイヤな気持ちになって、しあわせを保てないなんて悔しいじゃないですか。
もったいないじゃないですか。
だから
自分をしあわせのために、怒りについて知っておきましょう。
そして
怒る人に出会ったときには対処法を使いましょう。
相手のためではなく、自分のために。
怒りをぶつけられたこと、そしてその相手に対して怒りや憎しみ、悲しみを感じ続けることがないように。
そこにあなたの大切な時間とエネルギーを使ってしまうことがないように。
今回お伝えした知識と対処法は、きっとあなたの助けになるはずです!